SpaceXが携帯電話会社になる? Starlinkがアメリカの通信業界を変えるかもしれない

皆さんは「Starlink(スターリンク)」をご存じでしょうか?

イーロン・マスク氏が率いるSpaceXが展開している、人工衛星を使ったインターネットサービスです。

山間部や離島など、光回線や携帯電話の電波が届きにくい場所でも、衛星を使ってインターネットにつなげられる。そんなサービスですね。

日本でも、auなどの携帯電話会社がStarlinkの技術を活用したサービスを提供しています。

ところが最近、アメリカで面白いニュースがありました。

SpaceXが、衛星通信の会社から、自分たちで携帯電話サービスを提供する会社になろうとしているんです。

これが実現すれば、アメリカの携帯電話業界に大きな変化が起きるかもしれません。

Starlinkが、携帯電話会社に挑戦する?

2026年10月8日、SpaceXはアメリカで携帯電話に使う800MHz帯の周波数免許を取得する契約を発表しました。

さらに、アメリカの通信当局は、次世代Starlink Mobile衛星について、最大1万5,000機の運用を認可しています。

SpaceXが目指しているのは、衛星だけで通信するサービスではありません。

宇宙の衛星と、地上に設置する通信設備を組み合わせて、普段使いできる携帯電話ネットワークを作ろうとしているのです。

アメリカには、AT&T、Verizon、T-Mobileという大手携帯電話会社があります。

今まで携帯電話の通信といえば、こうした会社が地上に基地局を設置し、その電波を使って通話やインターネットを利用するのが基本でした。

そこに、宇宙からインターネットを届けてきたSpaceXが、本格的に参入しようとしているわけです。

考えてみると、かなり大胆な話ですよね。

なぜ衛星だけではダメなのか?

ここで、ちょっと疑問が出てきます。

「衛星から直接スマホにつながるなら、地上の基地局なんていらないのでは?」

私も最初は、そう考えたくなります。

しかし、衛星通信にも弱点があります。

例えば、山の中や海の上など、地上の基地局が少ない場所では衛星通信が役立ちます。

一方で、建物の中や障害物が多い場所では、衛星からの電波が届きにくくなることがあります。

また、衛星は地上の基地局よりもはるかに遠い場所を飛んでいるため、スマホの小さなアンテナから安定して通信することも簡単ではありません。

そこでSpaceXは、衛星だけに頼るのではなく、地上の通信設備も組み合わせようとしています。

今回取得を目指している800MHz帯は、比較的広い範囲に電波が届きやすく、建物の中にも電波を届けるうえで役立つ周波数です。

つまり、衛星が得意な場所と、地上の通信設備が得意な場所を組み合わせようとしているんですね。

宇宙からの通信と、地上の携帯電話網を一つにする。

これが今回の計画のポイントです。

携帯電話の料金は安くなるのか?

私たちが気になるのは、やっぱり料金ですよね。

もしSpaceXがアメリカで本格的な携帯電話サービスを始め、大手携帯会社と競争するようになれば、料金プランやサービス内容にも変化が起きる可能性があります。

ただし、今の段階で「Starlinkなら携帯料金が安くなる」と決まったわけではありません。

全国規模の携帯電話サービスを提供するには、衛星だけでなく、地上の設備や顧客サポートなどにも大きな投資が必要です。

実際、ロイターの10月16日の報道では、既存の大手携帯会社に対抗できるネットワークを構築するには、さらに何年もの時間と巨額の投資が必要になると指摘されています。

ですから、すぐにアメリカの携帯電話会社が大きく変わるというより、これから数年かけて競争が進んでいく話として見たほうがよさそうです。

それでも、これまで携帯電話会社とは別の分野にいた企業が、自分たちで通信網を作り、直接お客さんを獲得しようとしている。

この動きは、注目しておきたいところです。

では、日本の携帯電話も変わるのか?

ここは、日本のスマホ利用者にとって気になるところです。

実は、日本でもStarlinkの技術を使ったスマホ向けの衛星通信サービスが始まっています。

auでは「au Starlink Direct」、ドコモでは「docomo Starlink Direct」というサービスが提供されています。

これらは、対応するスマートフォンを使って、通常の携帯電話の電波が届きにくい場所でも衛星経由で通信できるようにする取り組みです。

ただし、アメリカでSpaceXが目指している形とは少し違います。

日本では、携帯電話会社が自社のサービスにStarlinkの技術を組み込んで提供しています。

一方、アメリカでSpaceXが進めているのは、自分たちで周波数や通信設備を確保し、携帯電話会社として直接サービスを提供することです。

つまり、同じStarlinkでも、日本とアメリカでは事業の進め方が違うということですね。

今回のアメリカの動きが、そのまま日本で同じ形になるわけではありません。

ただ、衛星通信が携帯電話の世界に入ってくることで、今後のサービスの選択肢が増えていく可能性はありそうです。

スマホの電波は、地上から宇宙へ

私たちは普段、スマホの電波についてあまり意識しません。

電波がつながれば電話ができるし、インターネットも使える。

それが当たり前になっています。

でも、その裏側では、通信技術が大きく変わり始めています。

地上の基地局を増やすだけではなく、宇宙の衛星も活用する。

さらに、衛星通信を提供してきた会社が、自分たちで携帯電話サービスを提供しようとしている。

少し前なら、SF映画の話のように感じたかもしれません。

もちろん、衛星通信だけですべての問題が解決するわけではありません。電波の届き方や通信速度、設備の整備、料金など、乗り越えなければならない課題もあります。

それでも、これからのスマホは、今まで以上にさまざまな方法で通信できるようになっていくのかもしれません。

私はパソコンやスマホを販売・修理する仕事をしていますが、こうしたニュースを見ると、端末そのものだけでなく、それを支える通信の仕組みも変わっていくのだと感じます。

これから数年後、携帯電話の契約先を選ぶときに「衛星通信をどこまで使えるか」が、今より重要な判断材料になっているかもしれませんね。

宇宙からスマホにつながる時代。その次は、宇宙の会社が携帯電話会社になる時代。

今回のニュースは、そんな変化の始まりなのかもしれません。

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