【いまさら聞けない】Windows・Mac・Chromebook・Linux……なぜ日本の学校ではChromebookが多い?

「パソコンって、Windowsですよね?」

お店でパソコンを販売していると、こういう話になることがあります。

ところが、最近の子どもたちに聞いてみると、

「学校ではChromebook使ってるよ」

なんて答えが返ってきます。

「あれ?Chromebookって何だ?」

と思ったことがある方もいるんじゃないでしょうか。

私もパソコン屋をやっているので、改めて考えてみると、これが結構面白いんです。

今回は、Windows、Mac、Chromebook、Linux……そもそもOSって何なの?

そして、

「なぜ日本の学校ではChromebookが多いの?」

というところまで、パソコン屋の河野目線で話してみたいと思います。


そもそも「OS」って何?

まず、ここからです。

OSというのは、簡単に言えばパソコンやスマホを動かすための基本ソフトです。

例えばWindows。

これはMicrosoftが作っているOSです。

Macに入っているのはmacOS。

そしてChromebookに入っているのがChromeOSです。

LinuxというOSもあります。

つまり、

パソコン本体とOSは別物

なんですね。

例えば、

「Windowsのパソコン」

という言い方をしますが、実際にはNECや富士通、Lenovo、HP、Dellなど、いろいろなメーカーのパソコンにWindowsが入っています。

車で言えば、

「車体」と「エンジン」のような関係……と考えると、なんとなく分かりやすいかもしれません。


Windowsはやっぱり強い

現在、一般的な仕事用パソコンといえば、やっぱりWindowsが中心です。

Word、Excel、PowerPointを使ったり、会社独自のシステムを使ったり。

私のお店に来るお客様でも、

「会社でWindowsを使っているので、自宅もWindowsがいい」

という方は多いです。

私自身も仕事ではWindowsを使っています。

ただ、パソコンの世界にはWindows以外にもいろいろなOSがあります。


MacはAppleの世界

Macに搭載されているのがmacOSです。

AppleがハードウェアからOSまで一緒に作っているので、Windowsパソコンとは少し考え方が違います。

デザイン関係や映像、音楽などの仕事でMacを使っている人もいますし、もちろん普通の仕事やインターネットにも使えます。

「WindowsとMac、どっちがいいの?」

と聞かれることもありますが、これは結局、

何に使うのか

で変わります。


そしてChromebook

ここで出てくるのがChromebookです。

ChromebookはGoogleのChromeOSを搭載したパソコンです。

Windowsパソコンのように、いろいろなソフトをパソコン本体にインストールして使うというより、Webブラウザを中心に使うことを前提にしたパソコンと考えると分かりやすいです。

GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシート、Google Classroomなど、クラウドを使った学習との相性がいい。

そして学校にとって大きいのが、

大量の端末をまとめて管理しやすい

というところです。

Googleは学校向けの管理機能を用意していて、学校や教育委員会などが端末を一括して設定・管理できます。


じゃあ、なぜ日本の学校ではChromebookが多いの?

ここが今回の本題です。

日本では「GIGAスクール構想」によって、児童・生徒1人1台の端末を整備する取り組みが進められました。

文部科学省も、1人1台端末と高速大容量のネットワークを整備し、ICTを活用した学習環境を作ることをGIGAスクール構想の目的として掲げています。

その中でChromebookが広く採用されました。

理由の一つとして考えられるのが、学校で大量のパソコンを管理する必要があるからです。

例えば、1台のパソコンなら、

「この設定を変更して……」

「このソフトを入れて……」

と人間がやればいい。

でも学校の場合は、

100台、500台、場合によっては何千台

という端末を管理することになります。

これは大変です。

Chromebookはクラウドを使った一元管理や自動更新などの仕組みが用意されているため、学校側からすると管理しやすいというメリットがあります。

文部科学省もGIGAスクール向けの端末整備について、Windows、Chromebook、Appleなど、それぞれのOSを前提としたキッティング事例を示しています。

つまり、

「学校はChromebookでなければならない」

という制度ではありません。

その中で、Chromebookが学校の利用環境と相性が良かった、ということですね。


でも、私はちょっと気になる

ここからは、パソコン屋の私個人の感想です。

学校でChromebookを使うこと自体は、私は別に悪いことだとは思いません。

むしろ、

「パソコンを触る」

「インターネットで調べる」

「文章を書く」

「みんなで資料を共有する」

といった経験を子どもの頃からできるのは、いいことだと思います。

ただ、ちょっと気になるのが、

学校でChromebookを使って、その先はどうなるんだろう?

ということ。

社会に出たら、会社ではWindowsだった。

家ではMacだった。

大学ではWindowsだった。

そんなことも普通にあります。

だから私は、

「Chromebookの使い方を覚える」だけではなく、「パソコンそのものを理解する」ことも大切なんじゃないかな

と思っています。


実は日本にも「OS」を作ろうとした時代があった

そして、ここからちょっと昔のパソコンの話です。

皆さん、**TRON(トロン)**って聞いたことありますか?

実はTRONは、日本で1984年に始まったコンピューター・アーキテクチャのプロジェクトです。

東京大学の坂村健さんを中心に進められました。

そして、その中には、

BTRON

という、パソコンやワークステーション向けのOSを目指したものもありました。

「えっ、日本でもパソコンのOSを作っていたの?」

と思いますよね。

そうなんです。

ただ、

「日本のTRONがアメリカに潰されて、Windowsが勝った」

というような単純な話ではありません。

当時のパソコン市場やソフトウェア環境、国際的な競争など、いろいろな要素が絡んでいます。

ここは都市伝説のように単純化しないほうがいいところです。


しかもTRON、今でもなくなっていません

これも面白いところです。

「TRONって昔のOSでしょ?」

と思っている方もいるかもしれません。

実はTRONの技術は、現在も組み込みシステムの分野で使われています。

自動車の制御、デジタルカメラ、携帯電話など、さまざまな機器にTRON系の技術が使われてきました。

さらにTRONのリアルタイムOSファミリーは、IEEEマイルストーンにも認定されています。

つまり、

Windowsに負けて消えてしまった日本のOS

という話ではないんです。

パソコンの表舞台からは見えにくくなったけれど、別の場所で生き続けている。

これ、なかなか面白いですよね。


Windows、Mac、Chromebook、Linux

こうやって考えると、パソコンのOSって面白いんです。

Windowsがあって、

MacのmacOSがあって、

ChromebookのChromeOSがあって、

Linuxもある。

そして昔はMS-DOSやOS/2、BeOSなど、今ではあまり聞かなくなったOSもありました。

日本にもTRONという大きなプロジェクトがありました。

それぞれのOSには、

「何を目的に作られたのか」

という違いがあります。

だから、

「Windowsが一番」

「Macが一番」

「Chromebookが一番」

と単純に決める話ではないんですね。


じゃあ、Chromebookは「子ども向け」なの?

私は、そういう考え方はちょっと違うと思っています。

Chromebookは、

学校という環境に向いているから使われている

と考えたほうが分かりやすいです。

学校では、

  • インターネットを使う
  • Google Classroomを使う
  • 文書や資料を作る
  • 写真や動画を扱う
  • 先生と生徒でデータを共有する

といった使い方が多い。

こうした用途なら、Chromebookは十分活躍できます。

一方で、会社でWindows専用ソフトを使ったり、本格的な動画編集をしたり、特殊なソフトを使ったりするなら、WindowsやMacが必要になることもあります。

結局、

パソコンは「何をしたいか」で選ぶもの

なんですよね。


パソコン屋をやっていると、OSの違いが見えてくる

私のお店では、中古パソコンの販売や修理をしています。

お客様から、

「これ、仕事で使えますか?」

「今までWindowsだったんだけど……」

「子どもが学校でChromebookを使っていて……」

なんて相談を受けることがあります。

そんなときに私が思うのは、

パソコンはスペックだけ見て選ぶものじゃない

ということ。

CPUが何世代なのか。

メモリが何GBなのか。

SSDが何GBなのか。

もちろん大事です。

でも、その前に、

「何に使うんですか?」

ここが一番大事なんです。

OSも同じです。

Windowsだからいい、Macだからいい、Chromebookだからダメ。

そんな単純な話ではありません。

「自分が何をしたいのか」

そこから考えると、パソコン選びは意外と簡単になります。

パソコンのことで「これって何?」と思ったら、X-STYLEでも気軽に聞いてください。

売るだけではなく、買う前より、買ったあと。

そこまで相談できるパソコン屋でありたいと思っています。

まあ、OSの話を始めると、昔のパソコンの話まで出てきて、どんどん長くなっちゃうんですけどね(笑)。

https://x-style.ne.jp/