【AIのせいでパソコンが高くなる?】いまメモリに何が起きているのか、パソコン屋が調べてみた
最近、パソコンのニュースを見ていると、ちょっと気になる話が増えています。
「メモリが高い」
「SSDも高くなっている」
「パソコンの価格も上がっている」
しかも、その背景にあるのが、今ものすごい勢いで広がっている生成AIなんです。
「AIってChatGPTとかの話でしょ?」
と思いますよね。
ところが実は、AIブームが私たちの使うパソコンの値段にも関係してきています。
今回は、パソコン屋の私も気になったので、最近のニュースを調べながら、
「いったいメモリに何が起きているの?」
という話をしてみたいと思います。

AIは、ものすごい量のメモリを使う
まず、生成AIが普通のパソコンと違うのは、扱うデータの量です。
ChatGPTのようなAIを動かすためには、巨大なデータセンターに大量のコンピューターを並べます。
そして、そこでは大量のメモリやストレージが必要になります。
特にAI向けでは、一般的なパソコン用メモリとは違う**HBM(High Bandwidth Memory)**など、高性能なメモリが使われています。
メモリメーカーのMicronも、AIの利用拡大によって、メモリやストレージへの需要が強くなっていると説明しています。2026年9月に発表した決算でも、AI需要を背景に過去最高の業績となりました。
つまり、
AIが流行る
↓
AIデータセンターが増える
↓
大量のメモリ・SSDが必要になる
という流れです。
じゃあ、なぜ普通のパソコンまで高くなるの?
ここが面白いところです。
「AIサーバーでメモリをたくさん使うなら、普通のパソコンには関係ないんじゃない?」
私も最初はそう思います。
ところが、メモリを作るメーカーの生産能力には限りがあります。
AIサーバー向けの需要が非常に強くなると、メーカーはより需要の強いサーバー向け製品へ生産能力を振り向けるようになります。
TrendForceによると、2026年第4四半期もDRAMメーカーは高性能なサーバー向け製品を優先しており、PC向けDRAMの供給は2027年に減少する可能性があるとされています。
これが、
「AIの話なのに、なんで俺のパソコンまで高くなるの?」
という現象につながっています。
実際、メモリの価格はかなり上がっている
2026年3月には、TrendForceが2026年第2四半期の一般的なDRAM契約価格について、前四半期比で58~63%上昇すると予測していました。
NANDフラッシュについても、70~75%上昇という非常に大きな予測でした。
その後、価格上昇のペースはいったん鈍化しています。
しかし、落ち着いたわけではありません。
2026年9月30日に発表されたTrendForceの最新予測では、2026年第4四半期も、
DRAM:前四半期比10~15%上昇
NAND:15~20%上昇
と予測されています。
つまり、
「ものすごい勢いで上がっていたのが、少し上がり方が緩くなった」
という感じです。
安くなった、という話ではありません。
SSDまで影響を受けています
メモリだけではありません。
パソコンのデータを保存するSSDに使われるのが、NANDフラッシュメモリです。
こちらもAIやデータセンターの需要が強くなっています。
2026年9月のITmediaの記事でも、AI向けサーバーの需要増加によってDRAMやNANDフラッシュの価格が高騰し、コンシューマー向けSSDにも影響が出ていると報じられています。
だから最近のパソコン業界では、
メモリが高い
だけではなく、
SSDも高い
という状況になっています。
パソコンを作る側からすれば、かなり困った話ですよね。
そして、パソコン本体の価格にも影響してくる
当然ですが、パソコンメーカーも、
メモリ
↓
SSD
↓
その他の部品
を仕入れてパソコンを作っています。
部品の価格が上がれば、最終的にはパソコンの販売価格にも影響します。
実際、VAIOは2026年9月に個人向けPCを値上げしました。
その理由として、生成AIの普及によるメモリ半導体需要の拡大や、関連部材価格の高騰を挙げています。
また、PC Watchが2026年7月にまとめた国内市場の動向でも、メモリやSSDの価格高騰がPC本体価格に波及しているとされています。
「AIなんて使ってないのに!」
と思う人もいるかもしれません。
でも、世界中でAIを動かすための設備が増えることで、部品を作るところから私たちのパソコンまで、つながっているんですね。
じゃあ、パソコンはこれからどんどん高くなるの?
ここは少し注意が必要です。
「絶対にこれから値上がりする」
とまでは言えません。
メモリメーカーが増産すれば状況が変わる可能性もありますし、AI以外のパソコンやスマホの需要が弱くなれば、価格上昇が抑えられることもあります。
実際、TrendForceも2026年第4四半期について、メモリ価格の上昇ペース自体は前の四半期より緩やかになると見ています。
ただし現在のところ、
「AI向け需要が強い」
「サーバー向けに生産能力が振り向けられている」
「PC向けメモリやSSDのコストも上昇している」
という状況は続いています。
パソコン屋としては、ここがちょっと気になります
私たちのようにパソコンを販売している側からすると、こういう部品価格の変化は他人事ではありません。
例えば、
「もう少し待てばパソコン安くなるかな?」
というお客様もいると思います。
もちろん、セールやモデルチェンジで安くなるパソコンはあります。
ただ、
「パソコンは年々必ず安くなる」
という昔の感覚だけで考えるのは、少し難しくなってきたのかなと思います。
特にメモリやSSDのような、パソコンの中に必ず入っている部品の価格が上がっているからです。
だから私は、パソコンを買うときは、
「今必要なのか?」
を一番に考えてもらいたいと思っています。
必要なのに、
「もう少し待てば安くなるかも」
と何年も待つ必要はありません。
逆に、まだ使えるパソコンを無理に買い替える必要もありません。
だから中古パソコンという選択肢もある
こういう時代になると、私は改めて中古パソコンの良さもあると思っています。
もちろん中古なら何でもいいわけではありません。
年式、CPU、メモリ、SSD、バッテリーの状態。
Windows 11に対応しているか。
きちんと整備されているか。
こういうところを見る必要があります。
でも、新品だけを見て、
「最近のパソコン、高くなったな……」
と感じている方なら、
「少し前の世代の、程度の良いパソコンを整備して使う」
という方法もあります。
私は実際に中古パソコンを販売・整備しているので、こういう選択肢も知っておいてほしいと思っています。
AIは「パソコンを便利にする」だけじゃなかった
今回調べていて、私が面白いと思ったのがここです。
AIというと、
「ChatGPTで文章を作る」
「画像を作る」
「仕事を効率化する」
というイメージがありますよね。
ところが今は、
AIを動かすための巨大なコンピューターが増える
↓
メモリやSSDが大量に必要になる
↓
半導体メーカーの生産や価格に影響する
↓
パソコンやスマホの部品価格にも影響する
というところまで来ています。
つまりAIは、ソフトだけの話ではなくなっているんです。
パソコンの中身そのものが、AIによって変わり始めています。
パソコン屋としては、これはなかなか面白い時代になってきたなと思います。
そしてこれからパソコンを買うときは、単純に「最新だから」というだけではなく、
「今の自分には、どんなパソコンが必要なのか」
を考えることが、ますます大事になってきそうです。
X-STYLEでは、新品だけでなく整備済み中古パソコンも扱っています。
「今買い替えるべき?」
「中古でも大丈夫?」
「このパソコン、まだ使える?」
そんな相談でも大丈夫です。
パソコンのことなら、気軽に聞いてください。



